ハーレー XL1200L(スポーツスター)のカスタムやメンテナンスをDIYで進めるうえで、タンクの脱着は避けて通れない作業です。
電装カスタムやメーター移設、タンク再塗装などを行う際には、必ず一度はタンクを外す必要があります。
しかし、燃料ホースや配線が絡むため、「難しそう…」と感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、XL1200Lのタンク脱着手順を写真付きでわかりやすく解説します。
実際にDIYで行った作業をもとに、使用した工具、注意点、安全に行うコツを丁寧に紹介します。
初めての方でも安心して作業を進められるよう、燃料ホースの取り外しから再取付け確認までを順を追って説明しています。
これからタンク脱着や配線カスタムに挑戦したい方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること👇
✅ XL1200Lのタンクを安全に脱着する手順
✅ 使用した工具と便利アイテムの紹介
✅ 燃料ホース・配線を扱う際の注意点
✅ 再取付け時の確認ポイントとコツ
りょー


🚨 注意|カスタム・整備は自己責任で!
バイクのカスタムや整備は、すべて自己責任で行う必要があります。
作業ミスによる故障や転倒は、大きな事故につながる可能性もあります。
特に燃料系・電装系の作業では、ガソリン漏れやショートなどのリスクもあるため、以下の点を必ず守ってください。
✅ 平坦で安定した場所で作業すること
→ 傾斜のある場所や砂利道では、スタンドが不安定になります。
✅ バッテリー端子は「マイナス → プラス」の順で外すこと
→ 逆に外すとショートの危険があります。
✅ 作業中はエンジンを完全に停止させること
→ 通電状態のまま触れると、感電や火花が発生することがあります。
✅ 燃料系作業は必ず屋外・換気の良い場所で行うこと
→ ガソリン蒸気は引火性が高く、密閉空間では非常に危険です。
✅ トルクレンチで規定トルクを守ること
→ 締めすぎ・緩みすぎを防ぎ、トラブルを未然に防止できます。
もし作業に不安がある場合は、迷わず専門店や整備士へ相談することをおすすめします。
自分で手を入れる楽しみも大切ですが、安全第一が何より重要です。






① はじめに|タンク脱着の必要性と注意点
スポーツスターのカスタムやメンテナンスをしていると、タンクを外す作業は避けて通れません。
特にXL1200Lでは、タンク下を通る配線やホースを触ることが多く、タンク脱着の知識は欠かせません。
この記事では、実際に筆者がメーターステー交換時の配線取り回し変更のために行ったタンク脱着手順を、初心者にもわかりやすく解説します。
🔸 タンクを外す主なタイミング
✅ メーターやハンドル周りの配線変更
✅ 燃料ポンプやホースの交換・清掃
✅ タンク塗装・交換などの外装カスタム
✅ エンジン上部の点検や整備
このような作業を行う際には、タンクを外す必要が出てきます。




🔸 作業前に確認しておくこと
タンク脱着は、燃料系統と電気系統の両方を扱うため、十分な注意が必要です。
特に以下の点を忘れずに確認しておきましょう。
- 平坦で安全な場所で作業する
- バッテリーのマイナス端子を外す
- 火気厳禁・換気の良い環境で行う
- 工具がタンクに当たらないよう保護する
燃料が残っている場合は、静電気にも注意してください。
タオルやウエスで周囲を保護し、工具がタンクに接触しないようにするのがポイントです。
🔸 この作業の難易度と目安時間
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 難易度 | ★★☆☆☆(初級〜中級) |
| 所要時間 | 約30〜60分 |
| 推奨人数 | 2人(燃料入りタンクの場合) |
🔸 要点まとめ
- タンク脱着はスポーツスター整備の基本作業
- 配線・ホース類の作業前に必ず実施
- 火気厳禁・平坦な作業環境が鉄則
- タンクは思った以上に重いので、2人作業が安心








② 事前準備|安全に作業を始めるために
ガソリンタンクを外す前に、まず作業環境と安全対策を整えましょう。
タンク脱着は見た目以上にリスクがあり、ガソリン漏れや配線の損傷などにつながることもあります。
焦らず、ひとつずつ確認してから進めていきます。
🔸 平坦で安定した作業スペースを確保
まず、バイクを平坦で安定した場所に停車させます。
サイドスタンドでは不安定になることがあるため、可能であればメンテナンススタンドを使用しましょう。
🔸 ガソリン残量の確認
次に、ガソリン量の確認です。
タンクを外す際、燃料が多いと重くバランスを崩しやすくなります。
ガソリンはできるだけ少なくしておくのがポイントです。
フルタンク状態だと、作業中にタンクを傾けた際に燃料が漏れるおそれがあります。
可能であれば、走行して減らしておくのがおすすめです。
🧰 使用する道具の例
タンクを外す前に、必要な工具を手元にそろえておきましょう。
✅ レンチ、スパナ
✅ プラスドライバー
✅ ウエス(タンクの保護用)
✅ パーツトレイ(ボルトやナットの紛失防止)
✅ 作業手袋またはニトリル手袋
工具はアストロプロダクツなどの信頼できるメーカー製を使うと安心です。
レンチやソケットの精度が悪いと、ボルトをなめる原因にもなります。
⚡ バッテリー端子を外す
燃料ポンプやセンサーがあるため、ショート防止のためにバッテリーのマイナス端子を外すのが鉄則です。
マイナス端子を先に外しておくことで、思わぬトラブルを防げます。
詳しい脱着方法はこの後の章で説明します👍
プラス端子から外すと、工具がフレームなどに接触してショートする危険があります。


🧩 タンクを保護する
タンクの塗装を傷つけないよう、作業中はウエスやフェンダーカバーでしっかり保護しましょう。
金属工具が少し触れるだけでも、簡単に傷が入ってしまいます。








③ シート・サイドカバー・バッテリーの取り外し
タンクを外す前に、まずはシート・サイドカバー・バッテリーを取り外します。
この作業を丁寧に行うことで、タンク脱着時の配線トラブルを防げます。
🪶 シートの外し方(手締めボルト)
筆者のXL1200Lのシートは、リアフェンダー後方にある手締めボルト1本で固定されています。
工具は不要で、指で回すだけで簡単に外せます。
- シート後方のシートボルトを反時計回りに回す
- ボルトが外れたら、シートを後方にずらして持ち上げる




外す際にタンクへぶつけないように注意しましょう。
塗装面を守るために、タオルやウエスを軽くかけておくと安心です。
💡 サイドカバーの取り外しポイント
XL1200Lは、左側のカバーを外すだけでバッテリーにアクセスできます!
ドライバーなどは基本不要です◎
→ カバー上部はは引っ張るだけで外れます(筆者は脱落防止のため針金でも留めてます。)
下部は引っ掛けてあるので、少し上に上げながら外しましょう!




カバーの取り外し後は置き場所に注意しましょう。
傷を防ぐため、柔らかい布の上に置くのがおすすめです。
🔋 バッテリーの取り外し
バッテリーを外す際は、必ずマイナス端子 → プラス端子の順で取り外します。
金属工具を使用するため、ショート防止のためにゴム手袋などを着用して作業するのがおすすめです。
① バッテリーを固定しているバンドを外す
XL1200Lのバッテリーは、金属バンドでしっかりと固定されています。
この固定バンドは六角ボルトで留められているため、スパナ(3/8)を使用して取り外します。




② バッテリー端子の取り外し
バッテリーを少し引き出し、マイナス端子(黒いケーブル)から先に外します。
その後、プラス端子(赤いケーブル)を外します。
取り外し順序を誤るとショートの危険があるため、以下の順を必ず守りましょう。
◎ 取り外し時:マイナス → プラス
◎ 取付け時:プラス → マイナス




マイナス端子を外すことで、バイク全体の通電を遮断できます。
この工程を省くと、工具が金属部に触れた際にショートする恐れがあります。
ここまで完了したら、次はいよいよ燃料ラインと配線コネクターの取り外し作業に入ります。






④ 燃料ホース・ベントライン・コネクターの取り外し
タンクを外す際の最大の注意ポイントが、この燃料ラインまわりの作業です。
ガソリンを扱うため、焦らず慎重に進めましょう。
⛽ 燃料ホースの外し方とウエスを敷く理由
XL1200L(インジェクションモデル)の燃料ホースは、クイックコネクター式になっています。
ホース根元にあるシルバーのロックリングを軽く持ち上げながら、ホースを引き抜きます。
- 燃料ホース接続部の周辺をウエスで覆う
- シルバーのリングを指で上げる
- ホースをまっすぐ引き抜く(左右に揺らさない)




ホースを抜くとき、少量のガソリンがこぼれる場合があります。
そのため、下にウエスを敷いておくことが重要です。
タンクやフレームに付着した燃料はすぐに拭き取りましょう。
燃料漏れの危険があるため、エンジン停止直後の作業は厳禁です。
エンジンの温度が下がってから、燃料圧が抜けるまで数分待ってから行いましょう。
🌬 ベントライン(エア抜きホース)の扱い方
タンク後方には、ベントライン(通気ホース)が1本接続されています。
これは、タンク内の圧力を逃がすためのものです。
- タンク下のゴムホースを軽く引く
- 力を入れすぎず、まっすぐ引っ張る




ホースの位置を記録しておくと再取付時に迷いません。
写真を撮っておくのがベストです。
⚡ 燃料ポンプコネクターの位置と外し方のコツ
燃料ポンプのカプラーは、タンク左の下側に配置ありました。(年式によっては違うかもしれないです。)




配線を無理に引っ張ると断線の原因になるため、必ずロック爪を押してから外すようにしましょう。
- 指または細めのマイナスドライバーでロック爪を押す
- カプラーをまっすぐ引き抜く
- 無理に引っ張らない(断線注意)
写真では、手前に有って邪魔でしたので、違う配線カプラーも外しています。




カプラーの爪は固い場合があるので、工具を使う際は金属先端がカプラーに当たらないように注意します。
樹脂製のツメは折れやすいため、焦らず少しずつ外しましょう。
燃料系の接続をすべて外したら、いよいよタンク本体のボルト取り外し工程に進みます。






⑤ タンクの固定ボルト取り外し(前後)
燃料ラインとコネクターを外したら、次はタンク本体を固定しているボルトを外していきます。
ここでは、前側・後側それぞれの手順と、傷を防ぐための注意点を紹介します。
🔧 前側:六角レンチ(6mm)での取り外し
タンク前側には、左右に1本ずつ6mmの六角ボルトで固定されています。
(筆者はタンクアップしているので、ブラケットにミリのボルトで取り付けてありました。)
このボルトを外すときは、タンクをしっかり手で支えながら作業するのがポイントです。
- 六角レンチ(6mm)を使用
- 左右どちらか片方ずつ、少しずつ緩める




🔩 後側:ラチェットハンドル&ソケット(1/2)&L型六角レンチ使用
タンク後方の固定は、ラチェットハンドル&ソケット(1/2)とL型六角レンチを併用します。
スペースが狭いため、角度をつけすぎるとタンクに工具が当たりやすい箇所です。
- ボルト側をL型レンチ固定
- ナット側にソケットレンチで緩める
- ナットが外れたら、ボルトをまっすぐ引き抜く




固着している場合は、潤滑スプレーを少量使用するとスムーズに緩みます。
ただし、スプレーが塗装面に付かないよう、タオルで覆っておきましょう。
🪶 工具がタンクに当たらないようにするコツ
この工程で最も気をつけたいのが、工具の接触による塗装のキズやヘコミです。
特に、レンチやソケットの金属がタンク側面に当たると致命的な跡が残ります。
✅ タンクの周囲をタオルやウエスで保護する
✅ 作業時は「押す」より「引く」動作で力をかける
✅ 固い場合は無理をせず、工具角度を変えて再トライ
燃料が半分ほど入っている状態では、タンクが意外と重くなります。
可能であれば二人作業で行うと安全です。
ボルトが外れたら、次はいよいよタンクの持ち上げと取り外し作業に入ります。






⑥ タンクの取り外し作業
タンクのボルトやホース、コネクターをすべて外したら、いよいよタンク本体の取り外しに入ります。
この工程では、タンクの重量やバランスを考慮して、慎重な取り扱いが必要です。
🔹 持ち上げる際の注意点(燃料が残っている場合)
今回の作業では、タンク内に燃料が半分ほど残っている状態で取り外しました。
ガソリンが入ったままだと意外に重く、傾けると燃料が偏ってバランスを崩すことがあります。
作業中に焦らず、片手で支えるよりも両手でしっかり持ち、水平を保ちながら持ち上げるのがコツです。
安全のためにも、二人作業で慎重に行うことをおすすめします。
✅ 事前にできるだけガソリンを減らしておくのが理想です。
✅ フィラーキャップをしっかり閉め、傾けすぎないよう注意!


・ガソリンがこぼれると、塗装を痛める原因になります。
・静電気にも注意し、火気の近くでは絶対に作業しないようにしましょう。
🔹 二人作業のすすめ
燃料が少なくても、タンクの形状と位置が取り外しにくいことがあります。
特にホースやカプラーを外した後は、支えがない状態になるため不安定です。
💡 一人が車体を押さえ、もう一人がタンクを持ち上げると安全です。
二人で声をかけながら作業すれば、傷や落下のリスクを大幅に減らせます。
作業スペースが狭い場合は、タンクをいったん上方向へ持ち上げてから後方へスライドさせると取り外しやすくなります。
🔹 落下・傷防止のための工夫
タンクの塗装面は非常にデリケートです。
工具やフレームに当たると、小さな接触でも塗装剥がれやへこみの原因になります。
あらかじめ、フレームの上やタンク周辺に厚手のタオルやフェンダーカバーを敷いて保護しておくのがおすすめです。
作業後に清掃するときも、タンク表面に砂やホコリが付いたまま拭かないよう注意しましょう。
✅ バイクカバーやバスタオルを折りたたんで、クッション代わりに。
✅ タンク裏面の突起が当たらないよう、水平に置きましょう。
✅ 万が一に備えて、地面との間に段ボールを敷くのもおすすめです。


実は、タンク単体での写真を撮り忘れてしまいましたが…📸
フレーム側の写真には奥にタンクが少し写り込んでいるので、そちらで雰囲気をお伝えします。
地面に置く際は、段ボールの上に古いシーツやタオルを敷いて、タンクの底面を保護しました。
また、タンク上面は、傷防止のためタオルで保護しています。






⑦ タンクの再取付けと確認ポイント
タンクを外したら、取り付けのときも慎重さが大切です。
ここを丁寧に行うことで、燃料漏れやトラブルを防げます。
🔹 ホース・カプラーの接続順序
取り外し時に撮っておいた写真を見ながら、順番通りに接続します。
✅ 燃料ホース → 一番に取り付ける
✅ 電源カプラー → 次に接続
✅ エアベントホース → 最後に位置を確認
ホースを無理に曲げたり、ねじれたまま固定しないように注意しましょう。
特に燃料ホースは、取り回しが違うだけで流れが悪くなることもあります。
・カプラーは「カチッ」と音がするまでしっかり差し込みましょう。
・古いホースは固くなっていることがあるので、交換も検討を。
🔹 写真を参考にした配線の復帰
外す前に撮影した全体写真と拡大写真を見ながら戻していきます。
位置を間違えると、タンクが正しく収まらなかったり、コードが挟まる原因になります。
💡 ケーブル類は元のルート通りに戻すことが基本です。
固定クリップやバンドの有無も忘れずにチェック!




・ホースやカプラーは、元の取り回しに近い角度で固定すると負荷が減ります。
・見た目もスッキリし、整備性が上がります。
🔹 ガソリン漏れ・通電確認
すべて接続し終えたら、まずはエンジンをかける前にチェックします。
✅ キーONで燃料ポンプが作動するか確認
✅ 接続部からガソリン漏れがないか目視確認
✅ メーター類に電源が入るか確認
問題がなければ、軽くセルを回してエンジン始動。
そのままアイドリング状態で1〜2分観察します。
・ガソリンの匂いがした場合は、すぐにエンジンを止めて原因を確認しましょう。
・電気系統のトラブルがあれば、ヒューズも併せてチェック。






まとめ|タンク脱着を安全・確実に行うために
ハーレー XL1200L のタンク脱着は、手順をしっかり守ればDIYでも十分に可能です。
ただし、燃料系統を扱う作業なので、安全第一で進めましょう。
🔹 脱着時の注意点まとめ
✅ タンクを外す前に、バッテリーのマイナス端子を外す。
✅ ウエスを敷いて燃料の滴りを防ぐ。
✅ 燃料ホースやカプラーは「カチッ」と音がするまで差し込む。
✅ 無理に引っ張らず、配線の取り回しを写真で記録しておく。
✅ 取り付け後はガソリン漏れ・通電確認を忘れずに。
作業後に匂いや異音がする場合は、すぐにエンジンを止めて点検してください。
特に燃料ホースの接続ミスは、トラブルや火災の原因になることがあります。
🔹 今後のカスタム・整備に活かせるポイント
タンクを外せるようになると、次のようなカスタムがぐっと楽になります。
・メインハーネスの整理や配線引き直し
・メーター移設やステー交換
・塗装やロゴ加工などの外装カスタム
作業のたびに構造理解が深まり、愛車への愛着もさらに強くなります。

















