バイクのタンクに付いている純正エンブレム。
長く乗っていると「そろそろ外してスッキリさせたい」「新しいデザインに変えたい」と思うことはありませんか?
ただ、**剥がした後に塗装が傷ついたらどうしよう…**と不安で、なかなか手が出せない方も多いはずです。
今回の記事では、筆者の愛車 ハーレー XL1200L のタンクからエンブレムを外し、
- きれいに取り外すコツ
- 塗装剥がれの補修(タッチアップ)
- 仕上げ磨きの手順
- 新しいステッカーでのカスタム
まで、実際の作業手順を写真付きで詳しく紹介します。
DIYで挑戦してみたい方はもちろん、これからカスタムを検討している方にも参考になる内容になっていますよ!
🚨 注意事項|エンブレム取り外し・補修作業について
今回紹介する作業は、タンクの塗装や外観に直接関わるデリケートなカスタムです。
不適切な方法で行うと、塗装の剥がれや傷を広げてしまう可能性があります。
✅ ドライヤーの熱を当てすぎない(塗装を傷める恐れあり)
✅ パーツクリーナーは使用せず、塗装に優しい専用クリーナーを使う
✅ タッチアップは必ず目立たない部分で色確認を行う
✅ 磨き作業は少しずつ丁寧に進める
また、仕上がりに強いこだわりがある方や、タンクの状態に不安がある場合は、プロの塗装業者やカスタムショップに依頼することをおすすめします。
DIYは自己責任で行い、安全かつ慎重に作業を進めましょう。
① エンブレム取り外しの準備と手順
XL1200Lの実体験ベースでまとめています。
安全第一で、無理にこじらないのがコツです。
エンブレムを外す前に必要なもの
- ドライヤー
家庭用でOKです。
熱しすぎに注意します。
- 釣り糸
3〜5号程度が扱いやすいです。
- マスキングテープ
タンク保護と位置マーキングに使います。
- 柔らかいクロス
拭きキズ防止に最適です。
- シリコンオフスプレー
両面テープ跡の除去には、塗装に優しいシリコンオフが有効です。
脱脂にも使えます。
ドライヤーと釣り糸で丁寧に剥がすコツ
① エンブレム周囲をマスキングします。
タンク保護が最優先です。


② ドライヤーの温風で全体をムラなく温めます。
30〜40cm離し、低〜中温でじっくりが基本です。

③ 温まったら、釣り糸を左右に小刻みに動かします。
のこぎりのようにスライドさせ、角から入れると楽です。

④ 途中で重くなったら再加熱します。
無理に引っ張らないこと。
取り外したら、糊が冷える前に大きい残渣を指で転がして落とします。


糸が切れたら新しい糸に交換します。
無理に続行すると塗装にストレスがかかります。
ホルツのエンブレム取り外しキットもおすすめ
自作の道具でも可能ですが、専用キットは作業が安定します。
はじめての方や、塗装面を極力いたわりたい方に最適です。
- 必要なツールがまとまっているので準備が楽です。
- 糸の通し方・持ちやすさなど、実用性と安全性を両立できます。
残った両面テープをきれいに除去する方法
- シリコンオフ(パーツクリーナー)をクロスに少量だけ含ませます。
直接タンクにドバッとかけないのがポイントです。 - 円を描くように優しく拭き取ります。
力を入れすぎないこと。 - 取り切れない場合は、少量追加→拭き取りを複数回繰り返します。
- 最後に中性洗剤を薄めた水で脱脂して、乾いたクロスで拭き上げます。
今回筆者はパーツクリーナーを使用しましたが、
パーツクリーナーは、塗装を傷める可能性があります。
シリコンオフのほうが安全です。



これが成功の近道です!
② エンブレム跡の塗装剥がれを補修する
エンブレムを取り外した際、エンブレムの角がタンクに当たって塗装の1〜2mm程度の剥がれがありました。
放置すると錆や劣化の原因になるため、タッチアップによる補修を行います。




タッチアップカラーの選び方
- 純正カラーの有無を確認
純正塗装のままなら、ハーレー純正のタッチアップペイントが最適です。 - カスタムペイントの場合は色合わせが重要
- 今回は、カー用品店の色見本を借りて確認しました。
- 明るい場所と暗い場所、両方で見比べましょう。
今回は、私のXL1200Lがカスタムペイントだったため、
ホルツ カラータッチ「マツダ チタニウムグレイⅡM(M-82)」が非常に近い色でした。


マスキングと塗り重ねのコツ
タッチアップ補修は、下準備と塗り重ねの丁寧さが仕上がりを左右します。
① まずは目立たない部分で試し塗り
- サイドカバーなど、目立たない箇所で色の確認をしてから本番へ。




② 周囲をマスキングテープで保護
- 塗装が不要な箇所をしっかり保護することが重要。




③ 薄く塗って乾燥、これを10〜15分おきに5〜6回重ね塗り
- 層を積み重ねるイメージで行います。
- 凹んでいる場合は層を重ねて段差を補正しましょう。




乾燥後の次のステップ
塗り重ねが終わったら、1週間ほどしっかり乾燥させます。
完全に硬化したら、次はいよいよ磨き仕上げの工程へ。
耐水ペーパーで整え、ソフト99コンパウンドで艶を戻す手順は③で解説します。



③ タッチアップ後の磨き仕上げ
タッチアップが終わった後は、そのままでは塗面がわずかに盛り上がったり、段差が残ったりすることがあります。
ここでは、耐水ペーパーとコンパウンドを使って、自然な仕上がりに整える手順を解説します。
一度マスキングを剥がして状態を確認。
滑らかに仕上げるために、再度マスキングをタッチアップ時より広めに行います。




耐水ペーパーの番手と使用順
塗装の表面を均すために、耐水ペーパーを使用します。
- #800番で軽く表面を平らに
- 塗り重ねたタッチアップの“盛り”をなだらかにするための下準備。
- 水をつけながら、軽い力で行います。
- #1200番で中仕上げ
- 表面をさらに滑らかにし、細かなキズを均します。
- #2000番で最終調整
- コンパウンド前の最終ステップ。
- ここでしっかり面を整えておくと、後の仕上がりが大きく変わります。




ソフト99液体コンパウンドでの仕上げ
耐水ペーパーで整えた後は、コンパウンドで艶を戻していきます。
- #3000で研磨キズを消す
- 円を描くように優しく磨きます。
- 強く押しつけず、クロスにコンパウンドを含ませる程度でOK。
- #7500で艶出し
- 表面に滑らかさと光沢が出てきます。
- マイクロファイバークロスを使うとより安全。
- #9800で最終仕上げ
- 反射が均一になり、ほとんど補修跡が目立たなくなります。




目立たない仕上がりに
この手順を丁寧に行うことで、補修跡は光の角度によってうっすらわかる程度まで抑えられます。
遠目からはほぼわからず、実用レベルではほぼ新品同様の仕上がり。
- 無理に削りすぎない
- 乾燥をしっかり待つ
- 番手を飛ばさず順番通りに
これらが美しく仕上げるコツです。



艶が戻った瞬間は感動モノです!
④ 新しいHarley-Davidsonステッカーを貼り付ける
エンブレムの取り外し・補修・磨きまでが終わったら、新しいデザインでバイクを彩る仕上げの工程です。
今回は、Harley-Davidsonのステッカーをタンクに貼り付けました。ここでは、位置決めのコツと貼り付けのポイントを詳しく解説します。
ステッカーの位置を決めるコツ
ステッカー貼りは位置決めが8割です。ズレると全体の印象が崩れてしまいます。
① 柔らかい布製メジャーで基準を測る
- タンク表面を傷つけないため、金属製のスケールはNG。
- 左右の中心線や上下のバランスを測っておきます。
② マスキングテープで仮位置をマーキング
- 実際に貼る前に、マスキングテープを基準線代わりに貼っておくとズレ防止に。
- 左右対称に見えるかどうか、必ず両側から確認。




③ 複数の角度から見て最終チェック
- 斜め、真横、少し離れて…と様々な視点から見て違和感がないか確認します。




ステッカー貼り付けの流れと注意点
位置が決まったら、いよいよ本番。失敗しないためには貼り付けの順序と丁寧さが大切です。
- 貼り付ける面の脱脂
- シリコンオフやアルコールで、油分・ワックスをきれいに拭き取ります。
- これを怠ると剥がれや浮きの原因になります。
- 台紙を少しずつ剥がしながら貼る
- いきなり全部剥がすと、ズレ・気泡のリスク大。
- 上下どちらか一辺を基準にして、ゆっくりと貼り進めます。
- 中央から外側へ空気を押し出す
- 指の腹や柔らかいヘラで優しく空気を抜きます。
- 力を入れすぎるとステッカーが伸びたり歪む原因に。
- マスキングテープをゆっくり剥がす
- ステッカーがしっかり密着したのを確認してから剥がすと安心です。




仕上げチェックと最終確認
- 貼り付け後、もう一度全体をチェック。
- 気泡が入っていた場合は、針で小さな穴を開けて空気を抜くと目立たなくなります。
- 表面がしっかり定着するまで、24時間は水や強い摩擦を避けるのがおすすめです。





⑤ まとめと今後のカスタム展望
今回の作業では、XL1200Lのタンクエンブレムを取り外し、補修、磨き、新しいHarley-Davidsonステッカーを貼り付けるまでを行いました。
丁寧な作業と正しい手順を踏むことで、補修跡がほとんど目立たない自然な仕上がりを実現できました。
作業内容のまとめ
下記に今回の作業工程とポイントをまとめました。
工程 | 使用アイテム / ポイント |
---|---|
エンブレム取り外し | ドライヤー・釣り糸で剥がす / ホルツのエンブレム取り外しキットも便利 |
両面テープ除去 | パールクリーナーで優しく除去(パーツクリーナーは塗装ダメージに注意) |
塗装剥がれ補修 | ホルツ カラータッチ(マツダ チタニウムグレイⅡM M-82)でタッチアップ |
乾燥後の磨き | 耐水ペーパー #800→#1200→#2000 → ソフト99コンパウンド #3000→#7500→#9800 |
ステッカー貼り付け | 脱脂・マスキング・位置決め・空気抜きが成功のカギ |
今後のカスタム展望
今回の仕上がりには非常に満足していますが、ここからさらに愛車を進化させる計画があります。
- ステッカーからロゴ塗装へのステップアップ
次回はステッカーではなく、ロゴを直接塗装してより質感の高い仕上がりを目指します。 - カスタムペイントへの挑戦予定
タンクやサイドカバーなど、全体のカラーコーディネートを見直し、オリジナリティを強化していく予定です。 - 統一感のあるカスタム
タンクだけでなく、他パーツも含めたトータルバランスを意識したカスタムを計画中。


