バイクのカスタムパーツの中でも、バックステップはライディングポジションや操作感に直結する重要な部分です。
今回、ZRX-Ⅱにコワース製バックステップを取り付けました。
入手したのは新品ではなく、中古品。外観には小傷や使用感がありましたが、構造的なダメージはなかったため、取り付け前に分解してしっかり清掃を行いました。
この記事では、
- 中古バックステップを選んだ理由
- 入手時の状態チェック
- 分解清掃の手順
- 実際の取り付け方法
について順番に紹介していきます。
中古パーツでも、手間をかけて整備すれば十分使えることが多いです。
これから同じようにバックステップを交換しようと考えている方の参考になればと思います。




注意|カスタム・整備は自己責任で
バイクのカスタムやパーツ取り付けは、車体の構造や安全性に関わる大切な作業です。
本記事は、筆者が実際にZRX-Ⅱにコワース製バックステップを取り付けた記録をまとめたものです。
作業はすべて自己責任で行ってください。
こんな場合は注意が必要です
- 作業に自信がない、または工具を使った経験がない
- 車検やメーカー保証への影響が心配
- 専門知識や必要な工具が手元にない
こういった場合は、無理をせずバイクショップや整備士に依頼することをおすすめします。
DIYで行う場合の基本ポイント
- 適切な工具と、規格に合ったパーツを使用する
- 取扱説明書や整備マニュアルを必ず確認する
- 作業後は各部の締め付けや動作を点検する
安全を確保しながら整備を行えば、DIYでも安心してカスタムを楽しむことができます。



① コワース製バックステップとは
コワース(COERCE)は、日本国内で高い評価を得ているバイクパーツメーカーです。
高精度なアルミ削り出し加工と確かな品質管理により、多くのライダーから信頼を集めています。
今回取り付けたバックステップも、軽量かつ剛性の高いアルミ材を使用しており、耐久性と精度に優れています。
また、スポーティなポジションを実現できることから、走行性能や外観の向上を目的とするカスタムとして人気があります。
製品の特徴とメリット
- 軽量なアルミ素材を採用し、耐腐食性にも優れている
- 高い剛性により、コーナリング時の安定感が向上する
- ペダル位置や角度を細かく調整できる仕様(モデルにより異なる)
- 外観を引き締め、車体全体の印象をスポーティに変化させる
ZRX-Ⅱに装着した場合、純正ステップよりも位置が後方かつ上方に移動します。
これにより、ライディング時の姿勢が前傾気味となり、よりスポーティな操作感が得られます。
適合車種と注意点
今回使用したモデルは、ZRX400およびZRX-Ⅱに適合する専用設計品です。
専用設計のため、基本的には純正部品を取り外してそのまま取り付け可能です。
ただし、中古品を使用する場合は、事前に以下の点を確認することが重要です。
- 取り付けに必要なボルトやカラーが欠品していないか
- ペダルやステッププレートに歪みや曲がりがないか
- 可動部分のベアリングにガタつきや固着がないか
状態によっては、ボルトやベアリングを交換することで、長期的な使用に耐える状態に整える必要があります。
この後は「② 中古バックステップを入手した経緯」として、実際の購入理由や入手時の状態を解説します。



② 中古バックステップを入手した経緯
今回使用したコワース製バックステップは、新品ではなく中古品を選びました。
中古を選んだ理由は、価格面でのメリットが大きかったためです。
新品の場合、バックステップは3万円以上することが多く、場合によっては5万円を超えるモデルもあります。
一方で、中古品であれば、状態によっては半額以下で入手できる場合があります。
新品ではなく中古を選んだ理由
- 価格が新品に比べて大幅に安い
- 希少なモデルや廃盤品が見つかる場合がある
- 簡単なメンテナンスで再使用できることが多い
今回のバックステップも、中古ながら本体は大きな損傷がなく、再利用できる状態でした。
ただし、外観には使用感や小傷があり、分解清掃を行う必要がありました。
状態チェックと気になった部分
入手時に確認したのは以下の点です。
- 各ボルトの有無とネジ山の状態
- ペダルの動作のスムーズさ
- ベアリングの摩耗や異音の有無
- 表面のキズや腐食の程度
確認の結果、後の工程で洗浄とグリスアップを行うことにしました。


次は「③ 分解清掃でコンディションを整える」として、実際の分解手順や洗浄方法を紹介します。



③ 分解清掃でコンディションを整える
③-1 分解作業
中古で入手したバックステップは、まず単体状態で分解し、各パーツの状態を確認します。
車体から外す工程はないため、いきなりステップ本体の分解に入ります。
必要な工具と用品
- 六角レンチセット(ミリ規格)
- メガネレンチまたはスパナ
作業台や新聞紙を敷いた平らな場所で作業すると、部品を探す手間が減ります。
分解手順
- ペダルの取り外し
ペダルは六角穴付きボルトで軸に固定されています。
固定ボルトを外し、軸ごとペダルを抜き取ります。 - ステップバーの取り外し
固定ボルトを外し、バー部分を引き抜きます。 - リンクやプレートの分解
シフトリンクやブレーキロッド接続部を外し、プレートと分離します。 - カラーの取り外し
位置を間違えないよう、外す前に写真を撮って記録しておくと組み立てがスムーズです。








分解時の注意点
- 工具は必ず正しいサイズを使用し、ネジ山を傷めない
- 強く締まっている場合は、潤滑スプレーを浸透させてから外す
- 小部品はトレイに入れて管理する
- 潤滑スプレー
- トレイや小箱(小部品の紛失防止用)
③-2 清掃・グリスアップ
分解後は、各パーツを丁寧に清掃して再使用できる状態にします。
清掃方法
- 脱脂洗浄
パーツクリーナーを吹き付け、古いグリスや汚れを落とします。細部は歯ブラシでこすります。 - 腐食除去
白サビや表面腐食は真鍮ブラシまたは細目の耐水ペーパーで軽く磨き、ピカール等で仕上げます。 - 可動部点検
ブッシュの回転具合を確認し、引っかかりや異音がある場合は交換を検討します。
- パーツクリーナー
- ピカール
グリスアップと組立
- ペダル軸や可動部に新しいグリスを塗布
- 接触部にも軽く塗布
- すべての部品を元の順序で組み直し、動作を確認




この工程を経ることで、中古のバックステップでも新品に近い動きと外観を取り戻すことができます。
次は「④ ZRX-Ⅱへの取り付け手順」で、実際の装着方法を解説します。



④ ZRX-Ⅱへの取り付け手順
清掃とグリスアップを終えたバックステップは、いよいよZRX-Ⅱのフレームへ装着します。
作業は安全のため、車体をしっかりスタンドで固定してから行います。
取り付け前の下準備
- 必要工具の確認
六角レンチ、メガネレンチ、トルクレンチを準備します。 - 取り付けボルトの状態確認
錆やネジ山の潰れがないか確認し、必要に応じて新品に交換します。 - 車体側取り付け部の清掃
フレームの取り付け穴や接触面をパーツクリーナーで清掃し、異物を取り除きます。 - 付属部品の確認
カラー、スペーサー、ワッシャーなどの必要部品が揃っているか確認します。


取り付け手順
- ステッププレートの仮固定
左右の位置や角度を確認しながら、ボルトを軽く締めます。 - リンクロッドの接続
シフトペダルやブレーキペダルのリンクを接続します。動きがスムーズか必ず確認します。 - 本締め作業
全ての位置が決まったら、トルクレンチを使い規定トルクで本締めします。
過度な締め付けはネジ山やフレームに負担をかけるため注意が必要です。 - 可動部の動作確認
シフトチェンジやブレーキ操作を行い、干渉や異音がないか確認します。




取り付け後のチェックポイント
- ペダル位置が自分の足に合っているか
- スプリングやリンクに引っかかりがないか
- 試走後に各ボルトが緩んでいないか
取り付け作業は正確さが重要です。
位置や角度に違和感があれば、必ず再調整を行ってから走行してください。



⑤ 装着後の効果と使用感
バックステップをZRX-Ⅱに装着したことで、ライディングポジションや操作感にいくつかの変化がありました。ここでは、主な効果と使用感を整理します。
ポジションの変化
- ステップ位置が後方かつ上方に移動し、前傾姿勢が取りやすくなった
- コーナリング時の体重移動がスムーズに行えるようになった
- 足の自由度が上がり、ステップへの荷重がしやすくなった
操作感の向上
- シフト操作時のストロークが短くなり、確実なギアチェンジが可能になった
- ブレーキペダルの踏み込み感がダイレクトになった
- ペダル位置がしっかり決まっているため、足元の安定感が増した
見た目の変化
- 純正よりもシャープでスポーティーな外観になった
- アルミ削り出しの質感が高く、車体全体の印象が引き締まった


Before


After
注意点
- 純正位置に慣れている場合は、ポジションの違いに最初は戸惑うことがある
- 長距離ツーリングでは前傾姿勢が強くなり、疲れやすくなる可能性がある
総合的に、コワース製バックステップはスポーツ走行を意識したライダーにとって大きなメリットをもたらすパーツといえます。特にワインディングやサーキット走行では、その効果を強く感じられます。



⑥ まとめ
コワース製バックステップは、ライディングポジションの最適化や操作感の向上に大きく貢献するパーツです。
中古品であっても、しっかりと分解清掃やグリスアップを行えば、安心して使用できます。
今回のポイント
- 中古品は取り付け前に必ず分解清掃を行う
- 必要な工具や部品を事前に揃えておくことで作業効率が向上する
- 規定トルクで本締めし、動作確認と試走後の再点検を忘れない
- ポジションや操作感の変化は走行シーンによって大きなメリットになる


今回の作業を通して、ポジションや外観が変わるだけでなく、走る楽しさがさらに広がることを実感しました。
メンテナンスをしっかり行い、自分に合ったポジションを見つけてみてください。





